Introduction

ベストセラー作家に近づく
謎に満ちたエル<彼女>
彼女は何者なのか?
狙いは何なのか?
ふたりの女性の危ういほど
スリリングな関係に、
ポランスキーが仕掛けた
戦慄のミステリー

フランスで今もっとも注目されている作家デルフィーヌ・ド・ヴィガンの小説「デルフィーヌの友情」を映像化したのは巨匠ロマン・ポランスキー。熟練の技巧を凝らして随所に意味ありげな描写を織り交ぜながら、ふたりのヒロインがたどる予測不能の運命をスリリングに映し出す。人間の孤独とアイデンティティーの揺らぎ、密室的なシチュエーションで膨れ上がる極限の不安、じわじわと曖昧になっていく現実とフィクションの境目。これらまさしくポランスキー的なサスペンスと倒錯が渦巻く映像世界は、ひとときもスクリーンから目が離せず、ラスト・シーンを見届けた後もしばし観客を幻惑する。
ふたりのヒロインを演じるのは、エマニュエル・セニエとエヴァ・グリーン。また、『夏時間の庭』のオリヴィエ・アサイヤス監督が、ポランスキーと共同脚本を務めた。さらに『戦場のピアニスト』『ゴーストライター』の撮影監督パヴェウ・エデルマン、先頃『シェイプ・オブ・ウォーター』で2度目のアカデミー賞®作曲賞を受賞したアレクサンドル・デスプラらの一流スタッフが、ポランスキーの魔術的な演出を確かに支えている。